2011年11月8日火曜日

【特別寄稿】大宮勘一郎「フリードリヒ・キットラー追悼」

本欄にて掲載しておりました、大宮勘一郎氏によるフリードリヒ・キットラー追悼文「“Media and media system lay hid in night. Gods said: ‘Let Kittler be’ and all was light.”」は、増補改訂版が『思想』2012年3冊号へ収録されたことにともない、公開を停止しました。こちらもご参照ください。

【最新刊/重版中】柄谷行人『「世界史の構造」を読む』


『「世界史の構造」を読む』
柄谷行人=著

「震災後に読む『世界史の構造』」、書き下ろし150枚収録。

『世界史の構造』刊行以降の思想の深化を踏まえ、3.11大震災・原発事故により新たに直面した状況に対応して、いち早く著者自身によって読み直された『世界史の構造』をめぐる思考の軌跡。大澤真幸、苅部直、岡崎乾二郎、奥泉光、島田雅彦、佐藤優、山口二郎、高澤秀次らとの、『世界史の構造』をめぐる徹底討議七本を併録した、決定版『世界史の構造』リーダー。

《私は本を出版した後、それに関してこんなに多くの談話をした経験がない。自著について語るのはいつも億劫であった。しかし、『世界史の構造』の場合はちがっている。多くの依頼があり、私もそれを進んで引き受けた。その理由の一つは、私自身に話したい気持ちがあったからだ。『世界史の構造』では、全体の構成上のバランスをとるために、思索していた多くの事柄を省略するほかなかったのである。だから、私はそこでは十分に論じられなかったことを、座談や講演において語ろうとした。その意味で、本書は『世界史の構造』を補完するものである。》(あとがきより)

2011年10月20日刊行
★第2刷=2011年11月15日出来予定

四六判上製382頁
定価:本体2,400円+税
装幀:間村俊一
写真:港千尋
ISBN978-4-900997-33-2

▼目次

『世界史の構造』梗概

第I部

震災後に読む『世界史の構造』
 I 神の国
 II 哲学の起源
 III アジールと災害ユートピア
 IV 自然と人間
  1 人間と自然の交換関係
  2 エコノミーとエコロジー
  3 マルクスとクラウジウス
  4 グローバリゼーションと環境理論
 V 帝国主義と新自由主義
  1 帝国
  2 ネーション
  3 ファシズム
  4 資本の専制
  5 足尾銅山鉱毒事件

第II部

未来について話をしよう(苅部直との討議)
資本主義の終り、アソシエーショニズムの始まり(大澤真幸、岡崎乾二郎との討議)
生産点闘争から消費者運動へ(高澤秀次、すが秀実との討議)
交換様式論の射程(奥泉光、島田雅彦との討議)
遊動の自由が平等をもたらす(大澤真幸、苅部直、島田裕巳、高澤秀次との討議)
協同組合と宇野経済学(佐藤優との討議)
イソノミア、あるいは民主主義の更新(山口二郎との討議)

あとがき

2011年9月9日金曜日

【新刊告知】歿後10年出版『甦る相米慎二』

10年前の今日、9月9日、早世した稀代の映画作家に捧げる。

──────

『甦る相米慎二』
木村建哉・中村秀之・藤井仁子=編

Shinji Somai
A Film Director in the Japanese Post-Studio Era
Edited by Tatsuya Kimura, Hideyuki Nakamura, and Jinshi Fujii


歿後10年、
相米慎二が再び

映画の魂を呼び覚ます

映画監督・相米慎二(1948−2001)。80−90年代の日本映画界を疾走し多くの観客に深甚な感化を与えながら、21世紀のとば口で逝った相米を、いまここに甦らせる。『セーラー服と機関銃』『ションベン・ライダー』『台風クラブ』『お引越し』ほか13作にわたる相米映画の原点、軌跡、そして未来──そのすべてを収める決定版・相米慎二論。
聞き下ろしスタッフ・インタビュー、黒沢清・篠崎誠対談、さらに相米慎二講演録を特別収録。


《結局個が種を超越できなかったのか、それとも東京上空だか北海道の凍てついた川の向こう岸だかに行ってしまったのかは知らないが、ろくに〈世界〉を見ないまま死んでしまった相米を、今こそみんなして〈世界〉に送り出さなければならない。いや、〈世界〉こそが相米を知らなければならない。今さら知ってどうなるんだよと本人が例の調子ではぐらかしても、どうせ死んでいるのだから構うことはない。〈世界〉がおのれの不明を恥じ、いかに巨大な存在を同時代に見過ごしていたかを知って愕然とする日が、ついそこまで来ているのである。》(本書「序に代えて」より)

2011年9月30日発行

四六版上製448頁
定価:本体3,200円+税
装幀:間村俊一
カバー写真:相米慎二監督、『光る女』ロケ地にて(1985年)、撮影=安保隆
ISBN978-4-900997-32-5

▼目次

藤井仁子 相米慎二と〈世界〉との和解のために──序に代えて

I|相米慎二と映画
濱口竜介 あるかなきか──相米慎二の問い
大澤浄  「過程」を生きる身体──相米映画の子どもたち
筒井武文 映画の虚構性を問う──相米映画の撮影と編集
木村建哉 孤児の映画、親子の映画──相米慎二における性と生のドラマツルギー
中村秀之 生命の切れ端──相米映画における下半身の想像力
藤井仁子 春へ──相米慎二の四季

II|相米慎二の現場
伊地智啓(プロデューサー) あいつの見えない船に乗って
仙元誠三(撮影監督) 「できますかね」が伝染する
紅谷愃一(録音技師) 画に力があるから音が遊べる
熊谷秀夫(照明技師) 『あ、春』の照明の呼吸
榎戸耕史・冨樫森 映画は「相米以前」と「相米以後」に分かれる

III|相米慎二の時代
上野昂志 女優の出立──薬師丸ひろ子一九七八─八三
石田美紀 二つの『雪の断章』──映画と少女文化の接触地帯
岡田秀則 東京下界いらっしゃいませ──〈一九九〇〉偶景
黒沢清・篠崎誠 純粋に映画的であろうとした人

再録|相米慎二の言葉
相米慎二 自作にみる現代映画論──『翔んだカップル』から『東京上空いらっしゃいませ』まで

資料|相米慎二の仕事

木村建哉 終わりのない宿題──本書の「船出」に際して
中村秀之 「映画の暗闇」をとり戻すために──跋に代えて

索引|編者・寄稿者略歴|英文目次

▼正誤表(2013年9月2日追加。第2刷で修正予定)

*118頁後ろから5行目:「佐藤充」→「佐藤允」
*153頁8行目:「田端」→「田畑」
*182頁下段11行目:「皮」→「革」
*210頁上段16行目:「主婦の友社」→「主婦と生活社」
*210頁下段6行目以降:「そのときには、『雪の断章』の企画をすでに始めていたし、それからもうひとつは新井素子の『通りすがりのレイディ』っていう、これも薬師丸でやれればいいかなと思ったりした。そのへんを動かそうかと思っていた矢先だったんだけど、『セーラー服』を読んだら(…)」→「そのときには、『雪の断章』の企画をすでに始めていたんだけど、『セーラー服』を読んだら(…)」(赤字箇所を割愛)
*211頁上段14行目以降:「やっぱり『セーラー服』の面白さっていうのはね、これは今すぐだ、って。」→「やっぱり『セーラー服』の面白さっていうのはね、これは今すぐだ、って。『雪の断章』は、後に東宝から薬師丸主演企画の相談があったさいに新井素子の『通りすがりのレイディ』と合わせて提案することになったのだけど、それはまた別の話。」(赤字箇所を補筆)
*218頁下段16行目:「一二月一八日だったかな」→「一二月一九日(公開初日)」
*294頁下段後ろから2行目:「一四日」→「二四日」
*414頁下段小見出し:「受賞・出品歴」→「受賞歴」
*426頁下段2〜4行目:「おもてなし篇カメラマン」の項を削除(相米の演出CFではありませんでした)【2013/9/2追記】
*436頁右段(索引)、「ドゥルーズ」のノンブル:「128」→「128, 129」
*444頁(編者略歴)、木村建哉略歴の3行目:「詩論」→「試論」
*446頁(英文目次)、中村秀之論考のタイトル:「Somai Shinji」→「Shinji Somai」

▼イベント・上映企画案内

2011年9月23日(金・祝)〜25日(日)
神戸映画資料館
「歿後10年 甦る相米慎二」
『ラブホテル』『朗読紀行 にっぽんの名作「月山」』上映
http://kobe-eiga.net/program/2011/09/#a001448

2011年9月24日(土)
神戸映画資料館
連続講座「映画批評_新しい映画と観客のために」
第2回「甦る相米慎二」
講師:藤井仁子(映画批評) ゲスト:濱口竜介(映画監督)
http://kobe-eiga.net/event/2011/09/#a001449

2011年10月1日(土)
アテネ・フランセ文化センター
「歿後10年 甦る相米慎二」

15時〜
参考上映『お引越し』(1993年)
17時20分〜
シンポジウム
出演:伊地智啓(映画プロデューサー)、榎戸耕史(映画監督)、奥寺佐渡子(脚本家)、藤井仁子(映画批評家)
http://www.athenee.net/culturalcenter/program/so/somai.html

2011年11月19日(土)〜25日(金)
第12回東京フィルメックス

「相米慎二のすべて〜1980-2001全作品上映〜」

東劇にて開催。前売券発売中。
http://filmex.net/2011/sp2.html

2011年6月30日木曜日

読売新聞に『ゴダール的方法』著者紹介記事掲載



「読売新聞」2011年6月30日付朝刊の文化面に、『ゴダール的方法』著者・平倉圭さんへの取材記事「ゴダールに迫る「手」」が掲載されました。ごく小さなものですが、表象文化論学会賞受賞にあわせての取材です(授賞式は7月2日、京都大学にて)。後半の一部を引用──《映画批評では異例の手法。「絵画を模写するように、編集する「手」のレベルで考えたかった」と意図を語る。(……)イメージによる思考に迫った初の単著が評価され、「言語以外のもので考えるとはどういうことか、理論的な仕事を続けたい」が当面の抱負だ。》

この記事の上には、現在IZU PHOTO MUSEUMで開催されている展覧会「富士幻景──富士にみる日本人の肖像」の紹介記事が掲載。書き手は上記の平倉さんへの取材もしてくださった文化部の前田さん。展覧会初日に開催されたシンポジウムでの倉石信乃、金子隆一両氏の発言も引用されています。ちなみに、図版三つは、左から、玉村康三郎(1880s)、アメリカ軍(1945)、森山大道(1978)!

刊行されたばかりの『photographers' gallery press no.10』も左奥に並べてスナップしましたが、同誌には、「富士幻景」展キュレーターの小原真史さんによる「富士写真小史1853-1945」、そして、平倉圭さんの「時間の泥──ロバート・スミッソン《スパイラル・ジェッティ》」が掲載されています。ほぼ同世代の両氏による最新論考。こちらも是非。

──ゴダールと富士山のjuxtaposition。

2011年6月20日月曜日

【写真展ご案内】笹岡啓子個展「FULL MOON」「PARK CITY essentials」

新宿御苑前にあるギャラリー「Place M」にて2会場を使った笹岡啓子の個展が開催中です。「FULL MOON」はカラーの風景シリーズの新作(中判デジタル!)、「PARK CITY essentials」はオリジナルプリントでの展示です。1週間と短めの会期ですので、どうぞお見逃しなきよう。

笹岡啓子写真集『PARK CITY』(インスクリプト、2009年、2010年日本写真協会賞新人賞)も会場にて販売しております。

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笹岡啓子写真展
2011年6月20日(月)〜26日(日)
12:00〜19:00 会期中無休

「FULL MOON」
Place M
http://www.placem.com/schedule/2011/20110620/110620.html


「PARK CITY essentials」
M2 gallery
http://m2.placem.com/schedule/2011/20110620/110620.php


▼トークショー笹岡啓子×瀬戸正人
会場:Place M
日程:2011年6月25日(土)
時間:開場18:30/開演19:00
会費:500円
定員:60名(要予約)
下記、Place Mホームページよりお申込ください。
http://www.placem.com/talkshow.html

Place M
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3F
TEL:03-3341-6107
http://www.placem.com/

2011年6月15日水曜日

ブックフェア「ゴダールと指紋」、ジュンク堂書店京都BAL店にて開催中!

ジュンク堂書店京都BAL店にて、以下のフェアが開催中です。7月中旬までの予定です。

7月16日(土)までの開催となりました(その後も、規模を縮小し別のフロアで継続しますが、この点数で並ぶのは16日までです。なにとぞお見逃しなく。)──以上、7月7日追記。

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ブックフェア「ゴダールと指紋」
『ゴダール的方法』『指紋論』表象文化論学会賞受賞記念

ジュンク堂書店京都BAL店・5階
2011年6月5日(日)〜7月16日(土)

「視‐聴覚的思考を更新するための65冊+α──『ゴダール的方法』のコンテクスト【増補版】」平倉圭=選
「指先から広がる人文学の世界──『指紋論』をめぐる66冊」橋本一径=選

▼連動フェア
「ネゴシエーションとしてのアート──『表象05』サブテクスト20選」加治屋健司=選
「写真家たちによって編集されるもっとも過激な!写真雑誌。──『photographers' gallery press no.10』刊行記念フェア」

平倉圭『ゴダール的方法』(インスクリプト)と橋本一径『指紋論』(青土社)が第2回表象文化論学会賞を受賞したことを記念してのブックフェアです。それぞれの著者に、自著を読み解き、読み開くためのブックリストを作っていただきました。映画、哲学、美術、イメージ、写真、身体、技術……といった多彩なジャンルとテーマの本、130冊超がセレクトされました。ゴダールから始まり、指紋へとつながる、ブックフェア。ぜひご来場ください。(なお、連動企画として同じ棚で、『表象05』『photographers' gallery press no.10』刊行記念ブックフェアも開催いたします。)

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補足します。

平倉さんの65冊(+α)、橋本さんの66冊、加治屋さんの20冊については、それぞれ選書コメント付きのリーフレットが作成され、フェアの棚にて無料配布されています。現時点ではここのみにて入手可能です


平倉さんの『ゴダール的方法』選書フェアは、すでに今年のはじめに東京のジュンク堂書店新宿店・青山ブックセンター本店にて開催されましたが、そのときは「50冊+α」でした。今回は増補版です(15冊+1枚を追加。絵本とか書とか?……これも「『ゴダール的方法』のコンテクスト」!)。


橋本さんの『指紋論』についてのフェアはこれが初めての開催です。青土社の協力で実現しました。『ゴダール的方法』と『指紋論』が揃って第2回表象文化論学会賞を受賞したことにちなみ、この2冊を並べ、フェアタイトルを「ゴダールと指紋」と銘打っています。「ゴダールの指紋」ではありません。


また、この7月はじめに京都大学にて表象文化論学会が開催されることもあり、上記の連動企画として同学会の会誌『表象』最新号の関連フェアを展開しています。『表象05』(発行:表象文化論学会、発売:月曜社)の特集「ネゴシエーションとしてのアート」の参考書籍20点(含・洋書3点!)を、特集編集責任者の加治屋健司さんが選書されています。同特集にはブックガイドが付いていませんでしたので、その補足となるでしょう。


連動フェアはもうひとつあります。新宿2丁目のギャラリー「photographers' gallery」が年1回発行している雑誌『photographers' gallery press』の最新第10号(6月20日発売予定)の刊行にあわせた企画です。10号の特集は「ジョルジュ・ディディ=ユベルマン──イメージで思考する」。録り下ろしインタヴューと本邦初訳の論考2本を掲載(いずれも橋本一径さんによる取材・翻訳)。また、平倉圭さんも「時間の泥──ロバート・スミッソン《スパイラル・ジェッティ》」を寄稿。目次詳細は上掲のリンク先をご覧ください。また、橋本さんによる特集紹介はこちら。このフェア棚では、『photographers' gallery press』のバックナンバーのほか、photographers' galleryの刊行物を陳列しています。

以上のような緩い連関をもった4つのセクションからなる、計200冊超のフェア企画です。人文書にも表象文化論にも芸術書にもおさまらない、野心的なフェアになっているかと思います。ぜひ足をお運びください。

2011年4月7日木曜日

平倉圭「『ゴダール・ソシアリスム』分析」、京都造形大学「アサダ・アキラ・アカデミア」開催!


『ゴダール的方法』刊行記念イヴェント第4弾のお知らせです。今回は京都! お相手は浅田彰! テーマはゴダール最新作『ゴダール・ソシアリスム』! 必見、必聴! このトークを見よ。

以下、会場の京都造形大学のウェブサイトに掲載されている情報を掲示いたします。

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本学大学院院長・浅田彰教授と比較藝術学研究センターによる先鋭的な公開講座『アサダ・アキラ・アカデミア』を開催いたします。今回は、小原真史氏と平倉圭氏をお迎えしての講座です。

■アサダ・アキラ・アカデミア —この人を見よ この映像を見よ—

小原真史
『カメラになった男 写真家 中平卓馬』
上映とトーク
モデレーター 浅田彰
・日時:2011年5月10日(火) 18:00-(20:00)
・場所:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス 望天館B-11(情報デザイン プロジェクトホール)
※入場無料 定員120名(当日先着順)

平倉圭
『ゴダール・ソシアリスム』分析
モデレーター 浅田彰
・日時:2011年5月21日(土) 15:00-(17:00)
・場所:京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス 望天館B-11(情報デザイン プロジェクトホール)
※入場無料 定員120名(当日先着順)

【内容】
○小原真史『カメラになった男 写真家 中平卓馬』
1960年代から写真界の最先端を走るとともに、ゴダール評なども含む鋭い評論活動を展開してきた中平卓馬(1938年-)は、1977年9月11日に酔いつぶれて昏睡状態に陥り、意識は回復したものの言語と記憶に深刻な障害を抱えることとなる。それでも彼は写真を撮り続けた——というより、写真を撮ることで辛うじて生きてきたのだ。安易な意味づけや感情移入を削ぎ落とされたその写真は、不穏なまでの輝きで見る者を不意打ちするだろう。「キリカエ」展(大阪、Six)で近作が展示されるのを機に、小原真史が写真家にぴったり寄り添って撮った奇跡的ドキュメンタリー(2003年)を上映し、ますますアクチュアリティを増す中平卓馬という事件について語る。写真だけではない、およそアートに関心のあるすべての人間が体験すべき、これは決定的な事件である。

○平倉圭『ゴダール・ソシアリスム』分析
ジャン=リュック・ゴダール(1930-)は、1960年の『勝手にしやがれ』以来、映画界の最先端を走ってきた。1970年に入ってその疾走は中断したかに見えたが、とくにパレスチナ映画の失敗をめぐる省察を通じ、映画についてヴィデオで考察するといった新たな道が切り開かれ、それは20世紀末に『映画史』という巨大なモニュメントにまで到達する。その彼の最新作『ゴダール・ソシアリスム』は、全篇の早回し版がネット上にトレーラーとして公開されて上映前から話題となったが、いよいよこの映画が5月14日から京都シネマで上映され、先立って5月7日からゴダール映画祭が開催されるのを機に、ディジタル・ディヴァイスを駆使した映像の解析で新たな道を切り開きつつある平倉圭が、話題作『ゴダール的方法』の延長上で『ゴダール・ソシアリスム』を徹底分析する(フロイトの「徹底操作」という言葉にならって言えば)。映画のみならずアートやメディアに関心のあるすべての人へ。まずは映画館に駆けつけて圧倒的な音と映像の洪水に身をさらしたあと、この講座でそれがディジタル時代の鋭利なメスで徹底分析されるのを目撃していただきたい。

http://www.kyoto-art.ac.jp/graduate/information/110404-002135.html

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上記の浅田さんの紹介文にあるとおり、5月14日(土)から京都シネマにて『ゴダール・ソシアリスム』が上映されます。今回のトークは、その作品の分析が中心になります。すでに刊行記念イヴェント第2弾の青山ブックセンター本店でのイヴェントでも同作品の分析がなされましたが、それのヴァージョンアップしたものが展開されるはず。

【重要!】上記のウェブには掲載されていませんが、重要なお知らせ。これは平倉さんからのお願いですが、ご来場いただく方はぜひ、このトークの前に『ゴダール・ソシアリスム』をご覧になってきてください。未見の方のご参加を排除するわけではむろんありませんが、事前に観ておいていただいたほうが驚きは強いはずです。

なお、小原真史さんの『カメラになった男 写真家 中平卓馬』も必見。浅田さんの作品評はこちらで読めます。
http://www.realtokyo.co.jp/docs/ja/4weeks/bn/4weeks_085/

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『ゴダール的方法』刊行記念イヴェントの第3弾として予定しておりました、photographers' galleryでのレクチャー「形式の摩滅──ロバート・スミッソン」ですが、すでにご案内の通り、延期となりました。おそらく初夏のころに、今度は別の「仕掛け」をご用意して開催するつもりです。どんな「仕掛け」か?──まだ言えません。乞うご期待!
http://www.pg-web.net/documents/event/2011/hirakura/index.html

【続報】インスクリプト全点フェア、5月8日まで

神田神保町の東京堂書店本店3階にて、現在開催中のフェア「インスクリプト全点フェア──造本を支える写真家、装幀家による選書とともに」ですが、5月8日(日)まで続きます。


写真家・港千尋さん、装幀家・間村俊一さん(および編集者2名)による選書の書目も棚に揃って参りました。選書コメント(+俳句!)掲載の特製パンフレット(A5判12頁)も配布中です。


また、間村俊一さんが発行人をつとめる同人誌『たまや』のバックナンバーも販売中。全ページ活版印刷。ほかの書店では入手不可能なレアアイテムです。この機会にぜひどうぞ。上の写真の右端に写っている『鶴の鬱』という本は、間村さんの句集です(角川書店、2007年。当然、装幀は間村俊一、全ページ活版印刷!)。これも書店さんでは見掛けない一冊のはず。



なお、東京堂書店はすでに通常通り20時までの営業に戻っております。

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3月28日(金)に開催されたトーク「アンサンブルとしての本、装幀」(港千尋+間村俊一)の模様。満員御礼。ご来場の皆様に多謝。

2011年3月23日水曜日

【ご案内】インスクリプト全点フェア&港千尋+間村俊一トーク@東京堂書店

神田神保町の東京堂書店本店3階にて、インスクリプト全点フェアが開催中です。同書店のリニューアルに合わせたもの。3月18日(金)から始まっております。港千尋氏、間村俊一氏による選書パンフレットも配布中(A5判12頁)。3月25日(金)には両氏によるトークイヴェントを開催いたします。ぜひお越しください。

追記(3/24):装幀家・間村俊一氏が発行人(のひとり)を務める同人誌『たまや』のバックナンバー(1号〜3号)も、3月26日(土)以降に並ぶ予定です。ほかの書店さん店頭で見かけることはできないかと存じます。僅少部数、事実上の「限定販売」です。ぜひこの機会にどうぞ。なお、インスクリプトが発売元を引き受けております4号についてはこちらをご覧ください。あわせて、昨年末に「神戸新聞」に掲載された間村さんへの取材記事もどうぞ。

付記(3/23):本フェアは現時点で終了時期未定です。また、「全点フェア」とございますが、在庫アイテムに限りますこと、あらかじめご諒承ください。フェア台などに「出版案内」最新版(2011年3月版)を置いてありますのでご参看いただければ幸甚です。

以下、東京堂書店のご担当者による案内文を引用します。

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このたび東京堂書店本店三階におきまして、インスクリプトの全点フェアを開催いたします運びとなりましたのでご案内申し上げます。

インスクリプトは思想、哲学、批評、海外文学の翻訳・研究、写真集などの出版において、一点一点が、その書籍の位置する分野において何らかの更新をもたらすような内容の高度さを備えると同時に、その分野の専門家ではない一般読者にとっても豊饒な読書体験をもたらしてくれる魅力的な本ばかりを刊行されてきた、この一〇年程の出版を語る上で欠かすことのできない出版社です。同社の書籍はまた、間村俊一氏の手がける美しい装幀においても私たちを楽しませ続けています。




▼港千尋氏、間村俊一氏による選書

今回、インスクリプト全点フェアに合わせまして、インスクリプトより出版されている全書籍の装幀をされている装幀家の間村俊一氏、そして、インスクリプトの多数の書籍に写真を提供されている写真家の港千尋氏に選書を依頼いたしました。同時に楽しんでいただければ幸いです。(間村氏の選書コメントには、一冊一冊に対し俳句を頂戴しております。大変素晴らしいものです。ご期待下さい。また、番外編と致しまして、インスクリプトの編集者お二人にも選書頂いております。こちらもお楽しみに。また、選書リスト、コメントを掲載した特製リーフレットも会場にて配布いたします)



▼間村俊一氏版下展同時開催

インスクリプト全点フェアに合わせ、東京堂書店本店三階おきまして、インスクリプトの全書籍の装幀を手掛けられている間村俊一氏による装幀の「版下」の展示をして頂けることとなりました。「版下」とは装幀において、写植した文字や図版を配し、紙、インク、色の指示などを記入した、言わば作家にとっての手書きの原稿のようなものです。データでの入稿が主流となっている今日、版下を用いて造本をされている間村氏の存在は貴重です。間村氏の作業を生々しく垣間見させてくれる版下を目にすることのできる珍しい機会です。是非足をお運び頂き、ご覧いただきたく存じます。



▼港千尋氏(写真家)+間村俊一氏(装幀家)トークイベント

「アンサンブルとしての本、装幀」
開催日時 2011年3月25日(金)18:30〜20:00(開場18:15)
開催場所 東京堂書店神田本店6階
参加方法 参加費500円(要予約)
電話または、メール(tokyodosyoten[armark]nifty.com)にて、件名「港氏間村氏イベント希望」・お名前・電話番号・参加人数、をお知らせ下さい。イベント当日と前日は、お電話にてお問合せください。電話 03-3291-5181



http://tokyodoshoten.co.jp/
http://tokyodoshoten.co.jp/blog/

2011年3月15日火曜日

【速報】平倉圭『ゴダール的方法』、第2回表象文化論学会賞受賞!


小社より昨年12月に刊行いたしました、平倉圭『ゴダール的方法』が、「第2回表象文化論学会賞」を受賞いたしました。取り急ぎお知らせいたします。

──────

第2回表象文化論学会賞

[学会賞]平倉圭『ゴダール的方法』(インスクリプト、2010年12月)に対して
[奨励賞]橋本一径『指紋論──心霊主義から生体認証まで』(青土社、2010年10月)に対して
[特別賞]なし

選考委員:桑野隆、佐藤良明、松浦寿夫、和田忠彦

選考過程:
http://repre.org/associations/awards/post/

※各賞の受賞理由および選考委員のコメントはニューズレター「REPRE」に掲載されます。
※授賞式は、京都大学で開催される表象文化論学会第6回大会に合わせ、2011年7月2日(土)に催される予定です。

──────

なお、昨年の第1回につきましては、当ブログのこちらのエントリーをご参照ください。

2011年3月6日日曜日

【急告】NHK日曜美術館にて小島一郎特集放映

小社より『小島一郎写真集成』を刊行している写真家・小島一郎に関する番組が放映されます。本書『小島一郎写真集成』が決定版写真集です。現在4刷。ぜひお買い求めください。

──────

NHK教育テレビ
「日曜美術館」

2011年3月6日(日)午前9時から/【再放送】3月13日(日)午後8時から


「孤高のフィルム〜写真家・小島一郎の津軽〜」

出演=大島洋さん(写真家)

高度経済成長まっただ中の昭和30年代、人やものが中央へ流れ、日本中の目が東京へ向けられる中、青森を撮影し続けた写真家がいる。
小島一郎(1924〜1964)は、津軽地方や下北半島をくまなく歩き、土地に根ざして生きる人々の姿をフィルムに収めた。津軽平野の叙情的な農村風景。本州最北端、大間の寒風吹きすさぶ漁村の風景。そこには地域特有の風土が写し出されている。厳しい自然とともに生きる人々の営みを記録するため、地吹雪の日を狙うなど、小島の撮影は過酷さを増していく。撮影地が北上するにつれ、作品はコントラストの高い荒々しいものへと変化していった。
中央への反発を強めるように北へ向かった小島だったが、作品が評価され始めると、写真家として東京で活躍することを夢見るようになっていく。地方と中央のはざまで揺れる小島は、悲壮な決意を胸に上京するが、東京で待っていたのは挫折と絶望の日々だった。
状況を打開するため再び北へと向かう小島だったが、過酷な撮影行を続けた代償は大きく、39歳の若さで急逝する。
番組では、小島の足取りをたどり、小島一郎の写真が半世紀を超えて、今私たちに何を語りかけるのかを探る。

http://www.nhk.or.jp/nichibi/index.html

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『小島一郎写真集成』
青森県立美術館=監修 
B5変型判上製244頁/写真:ダブルトーン178点、カラー6点
定価:本体3,800円+税
ISBN978-4-900997-23-3

▼2009年1月の発行以来、以下の賞を受賞いたしました。

第26回写真の町東川賞 飛彈野数右衛門賞
(2010年)[審査員=平野啓一郎、浅葉克己ほか]
第21回写真の会賞(2009年)

2011年3月1日火曜日

【お知らせ】ツイッター停止

2月末日をもちまして、インスクリプトのツイッターアカウントを停止いたしました。アカウント自体は残すつもりでおりましたが、作業の手違いにより、消失してしまいました……。これまでフォローくださったみなさま、公式RTしてくださったみなさまには、唐突な「蒸発」にしかみえぬ挙動となりまして、ふかくお詫び申し上げます。なお、消失3時間前までのログは以下にございます。http://twilog.org/mesentente/

なお、上記の失態をおかした運営者はその後、個人名義で新アカウントを設置しております。気が向かれましたらフォローしてやってください。

2011年2月23日水曜日

【ご案内】平倉圭『ゴダール的方法』刊行記念イヴェント、第3弾

【3月17日御報告】以下に告知しておりましたイヴェントは、延期となりました。主催者のphotogaphers' galleryのご案内をご参看ください。お申し込み済みの皆様宛にはすでに主催者より同様のご連絡が昨夜から今日にかけて届いているかと存じます。

第1弾は「ゴダールからドゥルーズへ、ふたたび」。第2弾は「『ゴダール的方法』からゴダールへ、ふたたび」。そして、第3弾は「ゴダールからスミッソンへ、photographers' galleryにてふたたび」。というわけで、以下のイヴェントを開催いたします。

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『ゴダール的方法』(インスクリプト)刊行記念レクチャー
平倉圭
「形式の摩滅──ロバート・スミッソン」


2011年3月21日(月・祝)16:00〜→延期となりました
photographers' gallry

料金:1,000円 定員25名
※要予約(ギャラリーのウェブかお電話03-5368-2631で)

[講師から]
芸術作品を「理解」するとは、作品からパターンを抽出することだ。だがそのパターンは、抽出元である作品の物質性と二重化されていて、物質の細かさ・複雑さのほうへとたえず引きずられ、崩れ落ち続けている。パターンを抽出する私の心(mind)もまた、物質のほうへと砕けている。芸術経験につきまとう、この二重性について考えること。パターンを認識する私の摩滅について考えること。
物質は思考するのか? それがロバート・スミッソン(1938-1973)の問いである。泥は思考する。石は思考する。それはアニミズムの類では決してない。物質は、その根底において言語である。だがそれはいかなる意味で言語なのか。石をドローイングしたり、写真に撮ったり、集めたりすることは、その言語とどういう関わりを持つ行為なのか。スミッソンのテクスト、写真、彫刻、ドローイング、そして映画を横断的に分解しながら考えていく。(平倉圭)

[企画者から]
書物『ゴダール的方法』の前身をなした連続講座「ゴダール・システム」から4年。映像/音に徹底的に内在すること、そしてそのとき抽出される「パターン」をパフォーマティヴに呈示すること──これが『ゴダール的方法』の「方法」です。その本の冒頭ちかくの註に、ある美術家が登場しています。ロバート・スミッソン(Robert Smithson)。今回のレクチャーでは、スミッソンの「パターン」を「マテリアル」へ向けて解体します。その試みはじつのところ、『ゴダール的方法』の論理をみずから逆撫でするものとして、逆走的展開を見せることになるはずです。ゴダールからスミッソンへ、photographers' galleryにてふたたび。ご期待ください。(編集者・中村大吾)

[書籍紹介]
平倉圭『ゴダール的方法』(インスクリプト、2010年)
ハイ・レゾリューション・ゴダール! その音‐映像を0.1秒オーダーで注視せよ。高解像度の分析によって浮かび上がる未聞のJLG的映画原理。映画史=20世紀史を一身に引き受けようとするゴダールは、映画に何を賭しているのか? そして21世紀のゴダールはどこへ向かうのか? 映画論の「方法」を更新する新鋭の初単著。ゴダールとともに、知覚経験の臨界へ!(帯文より)

[略歴]
平倉圭 HIRAKURA Kei
1977年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。専門は芸術論、知覚論。現在、横浜国立大学講師。著書に『ゴダール的方法』(インスクリプト、2010年)。共著に『美術史の7つの顔』(未來社、2005年)、『ディスポジション──配置としての世界』(現代企画室、2008年)。論文に「識別不可能性の〈大地〉──ジル・ドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』」(『思想』999号、2007年)ほか。今後の仕事として、“広い意味での「ダンス」の研究”に専心予定。http://hirakurakei.com/

http://www.pg-web.net/documents/event/2011/hirakura/index.html

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2007年の「ゴダール・システム」もその冒頭で平倉さんが宣言していたように、今回のレクチャーもスミッソンのことを知らない人でも大丈夫、なはず(ですので、スミッソンがどういう人なのかの説明はここでは省きます。上にひとつだけ映像作品を載せましたが)。ぴんと来られた方はぜひご参加ください。

「『ゴダール的方法』の論理をみずから逆撫で」という企画者の文言は、「物質は、その根底において言語である」という講師の言葉に呼応しています。ゴダール論ではありえなかった命題を試行してみるのが今回のスミッソン論です。というわけで、『ゴダール的方法』未読の方も歓迎いたします。(むろん本のほうもお読みいただきたいわけではありますが。ちなみに、『ゴダール的方法』とphotographers' galleryとのかかわりについては、こちらに拙文を寄せております。)

なお、平倉さんによるロバート・スミッソン論は、09年8月に京都で、10年1月に名古屋で口頭発表されていますが、現時点で活字化されたものはありません。今回はだいぶヴァージョンアップしている由。以下で比較的くわしく紹介されています。四谷アート・ステュディウムの講義録です。あわせてご参看ください。「平倉圭の「映像ゼミ」理論と実践:2009年度講義録より」:http://artstudium.org/archives/2010/07/_2009_2.html

2011年2月8日火曜日

東京堂書店フリーペーパー『三階』創刊 feat.『ゴダール的方法』

神田神保町の東京堂書店の3階(人文書・芸術書など)がフリーペーパーを創刊しました。その名も『三階』。以前は畠中さんがやはりフリーペーパーを制作されていましたが、今度、同書店3階ご勤務の三浦さんが創刊された『三階』はうってかわってハードコアです。CDの紙ジャケのような袋に、A4変型ウラオモテ1枚。


創刊号ではその三浦さんによる平倉圭『ゴダール的方法』書評が掲載。同書におけるドゥルーズ批判をウィリアム・ジェイムズへと延長する議論です(ジェイムズにかんしては、ジュンク堂トークセッションでもちらっと言及されています。ポッドキャスティングはこちら)。ちなみに、『ゴダール的方法』への初めての書評記事! ジャケット表紙は『アワーミュージック』コラージュ。

そして第2号では、その書評を受けて、三浦さんと大山載吉さんによる『ゴダール的方法』をめぐる往復書簡。次号(3号)に後篇が掲載されるそうですが、ここでは、ドゥルージアンである大山さんによる平倉著への応答がなされています。書簡中で言及された書籍の紹介も充実。「編集中記(新刊書籍のことなど)」という項では、中平卓馬『都市 風景 図鑑』(月曜社)、ボワ+クラウス『アンフォルム』(月曜社)、真島一郎編『二〇世紀〈アフリカ〉の個体形成』(平凡社。この本は凄い!)などが紹介されています。こちらのジャケ表紙は、リゾーム!(図版出典は、苅住昇『最新 樹木根系図説』。誠文堂新光社、84000円!!!?)

簡単に要約も引用もできない議論ですので、ぜひ実際に手にとってお読みいただきたく存じます。隔週発行を予定しているそうで、現在は第2号が配布中。既刊号のウェブへの転載なども現在は考えてらっしゃらないとのことです。

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おまけ。第2号登場の大山載吉さんは、『ドゥルーズ:生成変化のサブマリン』(白水社、2005年)の共著者。刊行されたばかりの宇野邦一・堀千晶・芳川泰久編『ドゥルーズ 千の文学』(せりか書房、2011年1月)にも寄稿されています(「フィッツジェラルド」「ペギー」「ラウリー」の項。版元のウェブサイトには未掲載ですが、全体の目次はBK1のこちらで見られます)。この本も『ゴダール的方法』も装幀は間村俊一さん。というわけで、並べてみました。

平倉圭×國分功一郎×千葉雅也「ドゥルーズ・映画・ゴダール」、ポッドキャスティング配信開始

2011年1月22日にジュンク堂書店新宿店にて開催された、平倉圭『ゴダール的方法』刊行記念トークセッション、平倉圭×國分功一郎×千葉雅也「ドゥルーズ・映画・ゴダール」(詳細はこちら)が、同書店のウェブサイトでポッドキャスティング配信されています。2時間以上の議論です。前・中・後篇に分かれています。ぜひお聞きください。

*國分さんは当日レジュメを配布されましたが、そのPDFもupされています。あわせてご参照ください。

*担当書店員阪根さんによる報告「《感想文:ヒデ×サンデル×歌舞伎町ナンバーワン》」:
http://d.hatena.ne.jp/m-sakane/20110122

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前篇:38分41秒。担当編集者による前振りと、國分さんによるコメント。
http://junkudo.seesaa.net/article/184735835.html

(右から、ヒデ、サンデル、歌舞伎町ナンバーワン)
(右から、平倉氏、國分氏、千葉氏)



中篇:47分23秒。千葉さんによるコメント、平倉さんの応答、ディスカッション前半。
http://junkudo.seesaa.net/article/184735970.html



後篇:42分8秒。ディスカッション後半、質疑応答、「予告篇」。
http://junkudo.seesaa.net/article/184841591.html


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後篇の36分15秒すぎからは、以下のイヴェントについて、平倉・國分各氏が「予告篇」を喋っています。

*平倉圭『ゴダール的方法』刊行記念イヴェント第2弾、平倉圭レクチャー「ゴダールを解体する──『ゴダール・ソシアリスム』分析から出発して」2011年2月27日(日)18:00〜20:00(開場17:30〜)@青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山。【予約受付中】
http://www.aoyamabc.co.jp/event/2011/jlg/

*國分功一郎『スピノザの方法』(みすず書房)刊行記念、國分功一郎×千葉雅也トークセッション「スピノザの哲学原理」2011年2月19日(土)18:30〜(開場18:00)@ジュンク堂書店新宿店・8Fカフェ。【満員御礼・申込受付終了】
http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk-shinjyuku.html#20110219shinjuku

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なお、ジュンク堂書店新宿店でのブックフェア「平倉圭=選 視‐聴覚的思考を更新するための50冊+α──『ゴダール的方法』のコンテクスト」は2月末まで延長されています。同じ内容のフェアが青山ブックセンター本店でも開催中です。ぜひお立ち寄りください。

2011年2月2日水曜日

管啓次郎著『斜線の旅』、第62回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞!

管啓次郎著『斜線の旅』(インスクリプト、2009年12月)が、第62回読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞いたしました。

松浦寿輝さんの選評(「読売新聞」2011年2月1日付掲載)から:

(…)偶然の出会い、予期せぬ道草、記憶の不意の甦り、湧出する詩想……豊かな小事件に満たされた、長短様々な旅のゆるやかな時間。それを記述する管さんのしなやかな散文は、健康な呼吸の拍を刻みつつ、軽いフットワークで絶えず移動し、浮遊し、越境しつづける。この快い運動感がすばらしい。「斜線の旅」とは、縦横の格子状に切り分けられた世界の秩序をいったんご破算にして、不意に斜めに逸脱することだ。(…)旅の名に値する旅とは、実はことごとくそうした体験のことではないのか。(…)ポリネシアの島嶼群への旅を繰り返す管さんの魂と身体は、この「太平洋の大三角形」を比類のない「平滑空間」として体験しているのだ。紀行文学の一傑作がここにある。




受賞を受けての管さんの言葉。ブログ「Mon pays natal」から:

(…)とりわけうれしいのは、この部門の昨年の受賞作が堀江敏幸さんの『正弦曲線』だということ、そして今年の「研究・翻訳賞」が野崎歓さんの『異邦の香り』だということ。二人の友人たちと、こんなかたちでそれぞれの仕事の一区切りを祝うことができるのは、ほんとうに幸運なことです。
そして二人の名前を出すと、もう一人の親友のことを思い出さずにはいられません。一昨年の夏に亡くなった編集者の津田新吾。彼のお別れの会で彼を送り出す言葉を述べたのが、野崎さん、堀江さん、ぼくでした。送り出した、たしかに、でもどこにむかって? その後もぼくらはそれぞれがそれぞれの本の島に住み、島々は勝手に可視不可視の火山活動を続けています。その島と島のあいだの海のどこかで、ジュゴンのように、ジュゴンとして、彼はいまもぷかぷかと浮かびまどろんでいるような気がします。
本は物として存在するけれど、その本質は想像的なもの。そして想像の世界には、時間の隔てもなく空間の分離もありません。だったらジュゴンのためにわざと熱帯の海岸に本を置き忘れてくるのも、意味のないことではないでしょう。ジュゴンは永遠にまどろみながら、砂の上の本を、文字ではなく気配で読みとってくれるかもしれません。餌だと思って食べてしまうのでなければ!

http://monpaysnatal.blogspot.com/2011/02/blog-post_01.html

その他の部門の受賞作についてはこちら:
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20110202-OYT8T00331.htm

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受賞に当たって新しい帯を作成いたしました(右端)。従前の帯とは用紙も変えています。

【最新刊】ピーター・ヒース『評伝オーロビンド』

ピーター・ヒース著
柄谷凜訳
『評伝オーロビンド』

革命の方法としてのヨーガ
「われわれの時代を生きたもっとも優れた人物」(ネルー)

中村屋のボースが敬愛し、岡倉天心、大川周明らとも深いつながりを持った哲人思想家にして、ガーンディー、タゴールらと並ぶ二十世紀インドの国民的英雄。英領インドの桎梏を背負いつつ、政治と霊性を一身に統合し、ネーションを超える普遍思想を築いた巨人の全体像を、厖大な一次資料とフィールドワークを駆使して明快に描く、決定版オーロビンド入門。

「世界の希望は、西洋との絶えざる接触のもとに、東洋に、古来のスピリチュアルな実用主義と生命についての広大で深遠なヴィジョンと力を呼び覚ますことに、そして欧米にアジアの光を洪水のように流れこませることにある。これは、発展も活力もなく、融通の利かないこれまでのやり方でではなく、心を沸き立たせるような動的かつ効果的な新しいやり方でなされなければならない。」(オーロビンド、1916年の書簡より)


2011年1月25日発行

四六判上製288頁
装幀:間村俊一
写真:港千尋
定価:本体3,000円+税
ISBN978-4-900997-26-4

▼目次

はじめに

第I部
第一章 インド人という出自
第二章 イギリスでの教育
第三章 仕事と家庭生活
第四章 詩人にして政治家
第五章 バンデ・マータラム
第六章 君主への宣戦布告
第七章 カルマ・ヨーギン

第II部
第八章 ポンディシェリー時代初期
第九章 ブラフマンとヴァースデーヴァ
第十章 スピリチュアルな冒険
第十一章 経験の哲学
第十二章 ヨーガの詩人
第十三章 実験室での作業
第十四章 晩年

エピローグ

訳者解説/出典註/文献目録/索引

▼著者/訳者

Peter Heehs(ピーター・ヒース)
アメリカ東海岸出身の歴史学者。オーロビンド関係の研究書でよく知られる。1971年よりインド、ポンディシェリーのシュリ・オーロビンド・アーシュラムに居住。シュリ・オーロビンド・アーシュラム・アーカイブスの創立メンバーの一人。Complete Works of Sri Aurobindo (Sri Aurobindo Ashram Trust) 編集委員。
著書に、India's Freedom Struggle, 1857-1947 (Oxford University Press India, 1988; paperback, Oxford University Press, 1996), Sri Aurobindo: A Brief Biography (Oxford University Press India, 1989, 本書), The Bomb in Bengal: The Rise of Revolutionary Terrorism in India 1900-1910 (Oxford University Press India, 1994), Nationalism, Terrorism, Communalism: Essays in Modern Indian History (Oxford University Press India, 1998), The Lives of Sri Aurobindo (Columbia Universiy Press, 2008) 他。編著に、The Essential Writings of Sri Aurobindo (Oxford University Press India, 1997; paperback, Oxford University Press) などがある。エッセイスト、詩人としても活動している。

柄谷凜(Karatani, Lynne)
1972年生まれ。インド、デリー大学哲学科中退。ケンブリッジ大学神学・宗教学科卒業。訳書に、ニコラス・デ・ラーンジュ『ユダヤ教入門』(岩波書店、2002)、『ユダヤ教とはなにか』(青土社、2004)ほか。

2011年1月13日木曜日

【ご案内】平倉圭『ゴダール的方法』刊行記念イヴェント、第2弾

以下のレクチャーを開講いたします。

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『ゴダール的方法』(インスクリプト)刊行記念レクチャー
平倉圭
「ゴダールを解体する──『ゴダール・ソシアリスム』分析から出発して」

2011年2月27日(日)18:00〜20:00(開場17:30〜)
青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山

『ゴダール的方法』からゴダールへ、ふたたび。「本書の分析は、今年80歳を迎えたゴダールが全身で突入しつつあるデジタル化された映画経験の新たなプラットフォームに接続されている」と結ばれる2010年の書物『ゴダール的方法』の「方法」を携えて、2010年の最新監督作品『ゴダール・ソシアリスム』へと再接続する。本書では扱われなかった最新作の分析から開始し、ゴダール作品における「フォルム」を解体する。高解像度「編集台」で展開される、その映画‐分析‐パフォーマンスを「目撃」されたい。

★同店にて、1月下旬よりブックフェア「平倉圭=選 視‐聴覚的思考を更新するための50冊+α──『ゴダール的方法』のコンテクスト」、2月上旬より展示「GODARD'S METHOD(S) UNFOLDED」を開催。

平倉圭(ひらくら・けい)
1977年生。芸術論、知覚論。横浜国立大学講師。著書に『ゴダール的方法』(インスクリプト)。共著に『美術史の7つの顔』(未來社)、『ディスポジション』(現代企画室)。論文に「識別不可能性の〈大地〉──ジル・ドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』」(『思想』999号)ほか。今後の仕事として、“広い意味での「ダンス」の研究”に専心予定。http://hirakurakei.com/

入場料:800円
定員:100名
予約受付は、青山ブックセンターオンラインストア、あるいは同書店本店にて。

http://www.aoyamabc.co.jp/event/2011/jlg/

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この講座では『ゴダール・ソシアリスム』を取り上げますが、かならずしも事前にご覧になっていることがご参加の前提とはなりません。ただし、開催日(2月27日)まで東京で上映が続いているかがわかりません東京での上映は2月4日(金)までです(1/19修正)。レクチャーを聴けば観たくなるのは必定(証言その1その2)ですので、できれば今から一度はご覧になっておくことをお薦めします。『ゴダール・ソシアリスム』は、日比谷TOHOシネマズシャンテにて上映中(くわしくはこちら)。

ひと月半ほど先のイヴェントですが、そういうわけで早めにご案内しております。予約方法が少しく厄介で恐縮ですが(電話予約は受け付けておりませんので…)、ぜひご参集ください。

2011年1月12日水曜日

【ご案内】「平倉圭選50冊+α」ブックフェア@ジュンク堂新宿店、開催中 


ジュンク堂書店新宿店(7F)にて、ブックフェア「平倉圭=選 視‐聴覚的思考を更新するための50冊+α──『ゴダール的方法』のコンテクスト」が開催中です。フェアはすでに始まっておりましたが、ようやく選書したアイテムが揃いましたので、あらためてご紹介いたします。


「『ゴダール的方法』のコンテクスト」と銘打っておりますが、映画本はほとんど並んでおりません。ギリシャ古典から2011年1月の最新刊まで。画集とか図鑑(!?)とかもあったりします……。


特製パンフレット(非売品)も配布しております。A5判8頁。現時点でこのジュンク新宿のみで配布しております。選書したそれぞれについて平倉によるショートコメント付き。この選書の並びをご覧になっただけではなにがなにやらかもしれませんので、コメントをぜひお読みいただきたく。

なお、50冊のうちの4点は版元品切れのため並んでおりません。「+α」はDVD2点。1点は近日中に棚に置かれますが、もう1点は書店さんのほうで取り扱い不可とのこと。それがなにかは、パンフをご覧ください。


なお、このブックフェアは今月末より青山ブックセンター本店でも開催予定です。あらためてご案内いたします。

【おまけ】

上掲の写真のとおり、平倉選書フェアの隣には順に、「開かれた〈思想〉:ショッピング/パターン」フェア、「臨床現象学」フェアが開催。それぞれ、『思想地図β』(コンテクチュアズ)刊行記念、河本英夫『臨床するオートポイエーシス』(青土社)刊行記念。前者は書店員さんによる、後者は青土社さんによる選書。


この3つのフェア、微妙に「共振」している点にご注目いただきたく。たとえば『思想地図β』の第二特集のある論考の註に挙がっている本が、平倉選書に入っていたり、などなど。


「臨床現象学」フェアでは選書リストも配布されています(A5判4頁)。『現代思想』新(!)編集長によるコメントを抜き書きしておきます。《臨床現象学とは、臨床現場へ果敢に切り込んでその桎梏と停滞を突破しつつ、翻って自らの理論的根拠である現象学それ自体を解体と更新のモメントに曝しつづける、動的なプロセスそれ自体を指します。臨床現象学──思わず口ごもり、唇端にささやかな違和を残すその名前は、この新たな学が、臨床と現象学という既存の枠組みを取り払い、全く新しい「現場」で胎動を始めた証左でありましょう。》


すこし離れた人文書売場では「佐々木中選書フェア」も開催。この「すこし離れ」具合、なんとも言えません……。「佐々木中氏による厳選ブックガイド」も配布中(A5判8頁)。「無断複製・転載歓迎」とありますね。ちなみに、平倉選書と2点だけ重複しています。それがなにか知りたい方は、ぜひジュンク新宿へ。


なぜか四谷アートストゥディウムの案内も発見。


満員御礼。多謝。

なお、すべての写真は書店さんの許諾のもとに撮影しております。為念。

【ご案内】旦敬介『ライティング・マシーン』刊行記念イヴェント

旦敬介著『ライティング・マシーン──ウィリアム・S・バロウズ』の刊行を記念して、以下のトークイヴェントを開催いたします。ぜひご参集ください。

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旦敬介『ライティング・マシーン──ウィリアム・S・バロウズ』刊行記念
ライティング・マシーン、バロウズ──ビートのハードコアを読み解く
旦敬介×小池桂一トークショー

2011年1月20日(木)19:00〜(開場18:45〜)
青山ブックセンター本店内・Aスペース

[書店さんによるイヴェント紹介文]
旦敬介さんの新刊『ライティング・マシーン──ウィリアム・S・バロウズ』をめぐる、アート・コミックのカリスマ・小池桂一氏との対話。従来のバロウズ観を塗りかえるこの新作をめぐって、バロウズをこよなく愛する二人が、ラディカルかつスピリチュアルなトークを展開!

[プロフィール]
旦敬介
作家、翻訳家。小説『逃亡篇』やバルガス=リョサ『世界終末戦争』、ガルシア=マルケス『愛その他の悪霊について』『誘拐の知らせ』、ソル・フアナ『知への賛歌』他、ラテンアメリカ文学を中心に多数の翻訳がある。

小池桂一
漫画家。1976年のデビュー作『ウラシマ』で史上最年少の第12回手塚賞受賞。サイケデリックで哲学的な作風は熱狂的なファンをもつ。作品に、『G』、『かたじけない』、『ウルトラヘヴン』、『HEAVEN'S DOOR』ほか。

料金:800円(税込)
定員:45名
予約などはこちらを:
http://www.aoyamabc.co.jp/event/2010/638/

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管啓次郎さんがこのイヴェントについてブログで紹介くださっているので、引用:

さて、1月。早くもありえなかったことが起こります。青山ブックセンター本店での旦敬介と小池桂一の対話! 旦くんの快著『ライティング・マシーン』刊行記念。バロウズをめぐる、めくるめくトリップ感覚いっぱいの話が聞けそうです。
小池くんが人前で話をするのは一世紀に一度(かそこら)のできごと。たちまち予約が埋まること必至です。全員集合しましょう! 立ち見もジーザス、じゃなくて、辞さず。
なお、まだ誰もその姿を知らない小池くんとぼくの共同プロジェクトも、今年上半期にはかたちをとる見込みです。これも驚嘆を約束します。お楽しみに。
ではまずはABCで。冬を熱くすごす最良の方法です。
http://monpaysnatal.blogspot.com/2011/01/abc.html