2010年3月16日火曜日

『PARK CITY』『斜線の旅』@『フリースタイル』11号(飯沢耕太郎さん・野崎歓さん)


以前当欄でもご紹介した『フリースタイル』の最新号(11号、2010年3月25日)のコーナー「One, Two, Three!」。「〈本・映画・漫画・音楽〉という4つのジャンルから“ベスト3”を選ぶ新コーナー。ジャンル別に3本ではなく、どう選ぶかは選者次第。今号は〈2009年10月1日から2010年1月31日〉に発売・公開のものが対象となる」という趣旨なのですが、飯沢耕太郎さんと野崎歓さんが、小社の出版物をピックアップされています。

飯沢耕太郎(写真評論家):笹岡啓子写真集『PARK CITY』

《笹岡啓子の『PARK CITY』は広島を原爆記念公園を中心とする「公園都市」と見立てる発想が面白い。黒々とした闇の領域が、少しずつ浸食してくるようなスナップ。新世代による原爆に記憶の継承の試みだ。》

野崎歓(東京大学准教授):管啓次郎著『斜線の旅』

《管啓次郎がまた素敵な本を書いた。こんな風に旅ができて、旅を書けたならどんなにいいだろうと思わずにはいられない。「昔ながらの日本の『外国文学者』のばかげた伝統」からこれだけ遠く離れていけるなんて、本当に羨ましい。強い批判的思考を秘めながら、文章が軽やかでリズムがいいから少しも嫌味がない。世界はまだ「驚きと魅惑」に満ちているのだと、率直に腑に落ちる。ああ、南半球を目指したいものだ!》



ところで、この欄の執筆者近況メッセージで、中条省平さんが、《次の目標はジュネの翻訳完了です。》(p. 66)とお書きになっています。年頭の『出版ニュース』2010年1月上・中旬合併号のアンケート「今年の執筆予定」には、《翻訳では、相変わらずジャン・ジュネ『花のノートルダム』の新訳(光文社古典新訳文庫)と格闘中です。》(p. 46)とありますから、このことでしょう。『花のノートルダム』は2008年暮れに鈴木創士訳で河出文庫で訳出されたばかりですが……。底本が別、とかあるんでしょうか??? ともあれ、生誕100年の今年のうちに刊行されそうな感じですね。

ほかにもジュネ関連の出版企画が今年はあるようですが、折を見てご紹介いたしましょう。小社は目下『シャティーラの四時間』を準備中です。



あと、特集の「「日本マンガ全集」編集会議」は「出版社を募集中です」とのことです。500ページ×50巻+1000ページ×50巻……。呉氏の発言によれば、「四十年近くマンガ全集というものは発売されていない」由。