
昨日から発売されている『季刊「銀花」』最新号(2009年夏・第百五十八号、文化出版局)にて、小島一郎が紹介されています。「北の残照──写真家・小島一郎が焼きつけた津軽、そして…」と題して、全16頁、掲載作品12点(内「トランプ」2点)、ちょっとした小特集です。青森県立美術館・高橋しげみさんも寄稿されています。以下は冒頭の見開き(クリックすると大きくなります)。本文デザインは杉浦康平事務所ですね。

本特集についてはノーコメント。
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簡素な振り子だけで地底に眠る水を探り当てる、占い師の父。家庭内ではなぜか疎んじられているこの父を敬い、慕っていたかつての少女が、彼を「あなた」と呼びながら過去を振り返る。魔法の振り子を、まるで言葉に対しても用いるように。
自分を厄介者扱いする母親の姿を父と対比させていくうち、彼女は、ふたりのあいだを母以外の女性の存在が引き裂いていたことを知る。淡々とした語りとともに、すでにいない父の、父の妻である母の、そして自分自身の孤独が深まってゆく。
本作は、一九八三年、名匠ビクトル・エリセによって映像化されているのだが、ここには映画では表現しきれない一人称の視点に特有の、脆(もろ)さとやさしさがある。原作という枠を外して読むべき佳品。(敏)